【インタビュー】多様性について考える、LGBTについて考える

公開日 Nov 11 2019
thumbnail

日本は「多様性」のある国ではない。 そこにWOW U-mediatorの存在価値がある

国連発表の「人間開発報告書2018」(各国の人間開発状態を測定することで国の発展を定義するもの)によると、日本は世界の先進国の一つとされており、上位30カ国に入っています。

しかし、日本は先進国とはいえ、まだまだ取り組まなければならない課題も多く、その一つが「多様性」です。

ギャラップ社が2014年に実施した「世界で最もLGBTフレンドリーな国」の国際調査では、日本は123カ国中50位にランクされました。この調査によると、日本はヨーロッパの多くの国(オランダ、スペイン、ノルウェーなど)と比べると、法律的にも個人的にもLGBTコミュニティを受け入れている国とは程遠く、LGBTフレンドリーとは言えません。

もう一つの例としては、「その国で利用できるベジタリアンレストランの数」です。Oliver's Travelsの調査によると、イギリスには4,433軒のベジタリアンレストランがあり、オーストラリアは3,016軒ありますが、日本は962軒しかありません。

イギリスとオーストラリアの一人当たりのベジタリアンレストランの数を計算してみると、イギリスは日本の3倍以上、オーストラリアは8倍(ベジタリアンレストランの数を人口で割って計算)という結果になりました。
また、日本においては英語力ももう一つの問題となっています。

EF Education Firstが実施した2018年の英語力テストの調査では、日本は非英語圏88カ国中49位でした。この国で、英語を使って長い会話ができる人材を見つけるのは非常に難しいと言えます。
このような理由から、外国人旅行者が日本を旅行中に遭遇する、様々な障壁を乗り越えるためのサポートが必要になることが非常に多いことがわかりました。

そこで、私たちEXestの出番です。私たちは、外国人旅行者が日本で遭遇するであろう障壁を乗り越えるためのお手伝いをする、オープンな会社でありたいと考えています。私たちは、多様性とオープンな心を持ったガイド(WOW U-mediator)のコミュニティを拡大しています。LGBTや、ベジタリアンの方への配慮はもちろん、英語も含めた日本語以外の言語に堪能な人たちが大勢います。

これから日本では多くのスポーツイベントが開催されます。2019年の9月には、アジアで初めてのラグビーワールドカップが日本で開催されました。
2020年には東京で夏季オリンピックが開催されます。海外から様々なニーズを持った人々が日本にやってくることが増え、日本は変化を迫られています。

今日のインタビューでは、日本のセクシャルマイノリティについて考えます。お一人は、東京ゲイボーイ」を自称するWOW U-mediator(ワオユー・メディエーター)こと田代哲也さん。もうひと方は、セクシャルマイノリティとセクシャルマジョリティが共に生きていく社会づくりに力を入れている認定NPO法人「good aging yells」代表の松中権さん。今回はこのお二人が、「多様性」について語り合うトークセッションです。

WOW U-mediator:日本について「WOW」と感じるものを持っている。または、日本の特定の地域や伝統文化に特別な関わり・得意領域を持ち、それを外国人旅行者に伝えようと意気込んでいローカルガイドのこと

Pride House Tokyo 2019、東京・原宿にLGBTのおもてなしハウスがオープン

pride house logo

プライドハウス東京は、2019年9月のラグビーワールドカップ開催期間中、LGBTのアスリートや同胞のための「ホスピタリティハウス」をオープンしました。9月20日(金)から11月4日(月・祝)まで、東京・原宿にある寄付やコミュニティサービスのために作られたコミュニティスペース「subaCO」にオープンしました。

alt

プライドハウス東京では、「誰もがスポーツを楽しむための10のルール」などのパンフレットや、LGBTに関する子供向け絵本など、さまざまな資料を用意しています。また、折り鶴を作るブースもあり、週末を中心に様々な参加型イベントが開催される予定です。

「ホスピタリティハウス」は、LGBTに関する情報を共有する場であるだけでなく、LGBTのアスリートや同胞が交流できる場でもあります。また、セクシャルヘルスに関するアドバイスを受けられる専門家チームもいます。

alt

Click here for more information!

自分たちがセクシャルマジョリティではないことに気づく

alt
(左から)松中権氏、田代哲也氏

ーまず最初に、自己紹介をお願いします

田代哲也氏(以後、田代氏):

はい、私は半年前までは人材系の会社に勤めていましたが、今は主にダンサーとして活動しています。私は小さい頃ジャズダンスを練習していました。また、テレビのバックダンサーとしての経験もありますが、約3年前からは世界的に有名なダンスである「暗黒舞踏」をやっています。
WOW U-mediatorとしても活動していて、東京で一番有名なゲイの街「新宿二丁目」のゲイバーに観光客を連れて行ったりもしています。私自身がゲイであることから、大学時代に「GLOW」というセクシャルマイノリティのグループのLGBTコミュニティ活動家として活動を始めました。そこからスタートして現在で約8年、活動しています。

松中権氏氏(以後、松中氏):

私は認定NPO法人「good aging yells」という団体の理事長をしています。「good aging yells」では、セクシャルマイノリティの方が社会に出ても安心して、自分のセクシャリティを恥じることなく、自分らしくありのままに年を重ねていけるように支援していきたいと考えています。また、セクシャルマイノリティの人たちが住みやすい社会を目指した活動や、「プライドハウス東京」のようなイベントを通じて、性的指向に関係なく、誰もがお互いを尊重し合える日本に貢献していきたいと考えています。つまり、セクシャルマイノリティもセクシャルマジョリティも、性的指向に関係なく、お互いを尊重し合い、受け入れられるようになることを望んでいます。

ーいつ自らがゲイだと認識しましたか?また、葛藤した経験などありますか?

田代氏:

私がたぶん男の子が好きなんだろうなと思ったのは、高校生くらいからです。私は男子高に通っていて、見た目がジェンダーニュートラルだったので、何となく女性的な扱いを受けていてました。嫌ではなかったのですが、ダンスの道を真剣に考えていたので、自分の性をオープンにするべきかどうか迷っていました。自分のキャリアに傷がつくのではないかと怖くて。
大学に入ってからは、自分のセクシャリティについて知りたくて前述のグループ「GLOW」に参加し、最終的にはコミュニティの会長になりました。みんなが就職活動を始めた時も苦労しました。大学で力を入れていたことの一つに「GLOW」での活動がありましたが、面接ではそのことを話すことに抵抗がありました。ただ同時に、自分のセクシャリティについて嘘をつきたくないので、どうしたらいいのかわからず、行き詰っていました。通常、日本では大学を卒業する前に就職することが多いのですが、私はそうしませんでした。時間をかけて自分のキャリアについて考え直すことにしました。

松中氏:

私が自分がゲイであることに気づいたのは、小学5、6年生の時でした。男の子のグループと一緒に本屋に行った時に、ゲイのカップルの本を見たんです。その時に「これだ、自分は男の子が好きなんだ」と思ったんです。田舎で育った私は、近所に私のような人はいないと固く信じていたので、黙っていました。東京の大学に行かなければならないことはわかっていましたが、自分のセクシャリティについては黙っていました。カミングアウトしたのは、大学時代にオーストラリアに留学していた時です。海外にいたからこそ、自分のセクシャリティのことを話しやすかったんです。自分のセクシュアリティを全開にして、ありのままの自分でいられるのは素晴らしいことだと思いました。当時、日本ではゲイの人たちのほとんどが自分のセクシャリティについてオープンにしていませんでした。その後、私は日本に戻ってきて、日本の広告代理店で働き始めました。

田代氏:

「そこで働くのはどうでしたか?同僚にカミングアウトすることは出来ましたか?」

松中氏:

私は会社で自分のセクシャリティについてオープンにしませんでした。同僚にも自分のセクシャリティについて話す必要があるとは思っていませんでしたし、自分のセクシャリティを隠すことが当たり前のように思えました。広告代理店で働いていた頃は、パーティーや会食が多く、そこでも仕事の話をすることが多かったので、それらに参加しないという選択肢はありませんでした。違和感を覚えることも多々ありましたが、それが当たり前の業界でした。

日本でセクシャルマイノリティであること

alt

ーご自身の経験を通して、ここ数年で日本の社会は変わったと思いますか?LGBTコミュニティはどのような世界を目指しているのでしょうか?

田代氏:

この10年で日本社会のセクシャルマイノリティの捉え方が変わってきたような気がします。前の職場では、同僚全員に自分のセクシャリティのことをオープンにしていましたし、クライアントに対しても、自分のセクシャリティについて話してくれて感謝しました。すべてがオープンになっていたので、いろいろな意味で楽になりました。
また、最近「TikTok(携帯電話用の動画プラットフォーム)」にログインした時、若い男の子二人の結婚式の動画が最初にお勧めとして出てきたのを見て驚きました!これも変化ですね。今の若い世代は、LGBTへの理解を示すためのデモとしての意味合いではなく、本当に自分たちのために結婚式を挙げることができると感じています。とはいえ、LGBTに対する否定的な意見が完全になくなるとは思えません。気をつけていても、その言葉が誰かを傷つけてしまう可能性もあります。そういう時の対処法を、セクシャルマイノリティである私たちは学ばないといけないと思うんです。LGBTの人たちがこの社会で生きていく上での様々な方法を見つけていけば、この国に住む他のマイノリティの人たちにとっても解決策になるのではないでしょうか。

松中氏:

東京がセクシャルマイノリティに対して非常にオープンになったことには同意します。しかし残念ながら、地方はまだそうではありません。セクシャルマイノリティの人たちがカミングアウトするのはまだまだ難しいですよね。周りの環境によってはカミングアウトできると思いますが、それはその人1人がどれだけ努力したか、というものではないと思っています。その状況を変えて、すべての人がカミングアウトしやすいようにしていきたいと私は思っています。

もう一つ言いたいのは、多くの人が持っている家族のイメージは、母親と父親がいて、子供が二人いるというものです。でも、その家族には父親が二人いてもいいし、母親と父親は結婚していなくてもいい。家族のあり方に「正解」はありません。LGBTコミュニティが、私たちが抱いている家族のイメージを変えて、新しいタイプの家族を社会で受け入れてくれることを願っています。

田代氏:

そうですね、LGBTの人たちが新しい生き方を見つけて、自分の人生をより良くしていくことができれば、他のいろんな人たちも自分の人生をより良くしていく方法を見つけていくことにつながると思います。

日本社会の未来への希望

alt

alt

ー今後、私たちの社会はどのようになってほしいですか?

松中氏:

私は、「みんな違って、みんないい」というところで思考停止してほしくないんですよね。私が言いたいのは、「あの人はみんなと違うから」と言って、そのまま近づかない、といったことをしないでほしいということです。もう少し踏み込んで、その人の良いところ、その人が直面している問題の、さらに深いところにある本当の問題は何なのかを見つけてほしいのです。問題を考えないことは最悪の行動である。私たちが直面している問題や、その違いについて考え続けてほしいのです。
例えばトイレ。ジェンダーフリーのトイレを作ろうと考えているところもありますが、根本的な問題が何なのか本当に理解しているのでしょうか?
LGBTの人だけでなく、多くの人がトイレの問題に直面しています。娘さんがいるお父さんは、どこのトイレを使えばいいのかわからない。ハンディキャップマークのあるトイレを作るのではなく、何らかの理由で男子トイレや女子トイレが使いづらいと感じている人のために、男女別トイレとは別に、ユニバーサルマークのあるトイレを作るべきだと思います。

田代氏:

LGBTは日本でここまで来ました。今後もセクシャルマイノリティのためになるような方法を模索し続け、その結果、日本の他のマイノリティがより良い生活を送れるようになればいいなと思います。

WOW Uは、すべての人の味方になる

WOW Uは、お客様のニーズに合った最適なWOW U-mediatorをご紹介し、日本旅行中の不安や質問に対する適切な対応・回答を提供していきます。そのために、性別、年齢、人種、民族、国籍、文化、能力など、様々なバックグラウンドを持つWOW U-mediatorを探し続けています。
EXestでは、すべての「違い」を私たち一人一人の特徴と考えています。ありのままの自分を隠さず働きたい方はもちろん、どんな方でも大歓迎です。ご興味のある方はぜひご連絡ください。

WOW U-mediators 募集中!

Reference

https://news.livedoor.com/article/detail/10470834/
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikazuomi/20190111-00110844/
https://www.japantimes.co.jp/community/2019/05/26/voices/olympics-crowdsour
https://www.worldometers.info/world-population/population-by-country/
https://frembassy.jp/news-post/vegetarianmarket/
https://www.oliverstravels.com/blog/most-vegetarian-friendly-countries/
calculation:
4,433÷9,463,889=0.00046 (UK)
3,016÷2,829,299=0.00106 (Australia)
962÷5,680,250=0.00016 (Japan)

Sponsored Links

関連記事