尾山神社は、加賀藩の最初の殿様である前田利家公と、利家公の正室（奥様）であるお松の方を主祭神としておまつりしています。
武将の御祭神であるため、「文武両道」「必勝」のご利益があると言われています。またご夫婦でおまつりしているため、「夫婦円満」「子宝安産」を祈願する人もいます。

年間約90の祭礼があり、もっとも有名なのは6月に行われる「百万石まつり祈願祭」です。利家公の御分霊をお乗せした尾山神社御鳳輦（神輿）とともに、俳優さん扮する利家公とお松の方、そして武者行列や加賀鳶（※1）などが「百万石行列」として市中を歩く、一大イベントです。

境内にある「神門」は、国指定重要文化財に指定されており、和漢洋の三洋式を取り入れた斬新なデザインで金沢のシンボルのひとつとなっています。伝統を守りつつも、新しいものを柔軟に取り入れていく金沢人の気風や美意識が感じられます。

また、庭園は江戸時代後期から明治初期にかけて形づくられた美しい庭で、「楽器の庭」と呼ばれています。その理由は、「琵琶島」、「琴橋」というように、池に浮かぶ島や橋などに、雅楽にちなんだ名前がつけられているからです。

近江町市場にも近く、金沢城にも続いているので、観光の途中に気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

（※1）加賀鳶：江戸の町を火災から守るためにつくられた加賀藩雇用の大名火消しのこと。

写真提供：石川県観光連盟