お香の達人・渡辺えり代さん:「私の扉は、あらゆる宗教を持つ人々に開かれています」

2020/01/16
2020/07/14
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マルチな才能を持つ世界的なお香の達人、渡辺えり代さんにお会いしてみませんか。えり代さんは、オリジナルのお香を創作し、お客様のご希望の言語(英語または日本語)でマインドフルなお香のワークショップやお香づくりの講座を定期的に開催したり、世界各地でお香に関する講演会を行っています。彼女は、日本のお香や伝統文化の知見と、海外生活や世界各地への旅の経験を融合させた独自の現代的なスタイルで教えています。

今回のインタビューでは、日本のお香だけでなく、世界の伝統的なお香について、そして何を提供しているのかを語っていただきました。

渡辺えり代さん インタビュー

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渡辺えり代さん

インタビュアー:いろいろな国での生活の体験をお持ちで、マルチカルチャーな方だとお聞きしました。ご自身の経歴を教えていただけますか?

渡辺:そうですね、ロンドン、パリ、ボストン、香港に10年間住んでいて、51カ国を旅しました。ボストンには8年ほど住んでいて、そこで芸術療法を学びました。具体的には、怒りや悲しみなどのネガティブな感情を手放すために、音楽、詩、絵画、ダンスなどのクリエイティブなアートで自分を表現するのです。そうすることで、自分にとって何が幸せにつながるのか、人生で何をしたいのか、ということに気づくことができるようになります。同じように、お香の香りを深く味わうことが、マインドフルネスや自己認識を高めることにつながると思います。

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聞香会

インタビュアー:日本のお香の楽しみ方について教えてください。

渡辺:その質問については、私が生徒さんに教えていることの中で一番大切なことをお話したいと思います。私たちが「日本のお香」と呼んでいるものは、実は国際的な影響を受けたものであるということを念頭に置きたいと思います。歴史を振り返ってみると、日本には仏教とともに香文化が伝えられました。海外から、お香の材料と使い方が紹介され、日本独自の香文化が発展したのです。現在日本のお香に使われている材料も、ベトナム、カンボジア、中国、インドネシアなどから輸入されたものです。お香は日本の伝統文化だと言われることが多いのですが、私は一歩引いて、海外の様々な文化が融合した結果であると捉えています。それは、私が長年海外で生活し、旅をしてきた経験があるからかもしれません。そのため、私の教えは、伝統的なものよりも、より独創的で現代的なものになっています。

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日本の新元号「令和」を祝う、えり代さんオリジナルのお香

お香を存分に味わうためには、質の良いお香を使うことが最も重要です。それはお料理と同じです。最高のシェフに調理をお願いして、最高級の食器で盛り付けをしても、食材の質が悪ければ、美味しいお料理にはなりません。素材の質が一番大切なので、その点に注意を払っています。私が聞香会で使用する伽羅・沈香・白檀は、すべて高品質で、お香の創作には厳選された天然素材のみを使用しています。

インタビュアー:お香は社会にどのような効果をもたらすと思いますか。

渡辺:お香は、昔も今もあらゆる宗教儀式に使われてきました。多くの場合、邪気を祓うために使われてきました。日本のお葬式では、お焼香をします。それは、故人が安心して成仏されるようにとの思いからですが、葬儀屋さんが用意されるお香は良質でないものが多いのです。私は香スペシャリスト養成講座を開いていますが、修了された方は、現在一般的に使われている大量生産のお香に代わるものとして、葬儀や特別な日のお香をつくるワークショップを開くことができます。また、嗅覚を刺激することが認知症予防につながると考えられていますので、高齢者向けの特別講座も開催できます。本物の手づくりのお香は、生活を豊かにしてくれます。日本は高齢化が進んでいるので、本当に有意義な活動だと思います。それは大きな一面ですね。

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「万葉集」の詩

インタビュアー:海外の方にはどのような講座を開催されているのですか?

渡辺:本当にお客様によりますね。例えば、海外の大手香料会社の香水のチームに特別講義や聞香会を行った時は、日本と世界のお香の歴史や香文化についてお話ししました。私は海外のお客様にお香のことを知ってもらう機会を提供するのが好きなのですが、柔軟に対応しています。先日ご依頼のあったサウジアラビアの王族のご夫婦は、お香の歴史にご興味をお持ちでないようでしたので、上質な香りの体験だけに時間を使うことにしました。実は、私が使っている香木は、1グラムあたり500ドルほどするものがあります。聞香会では、英訳された万葉集や和歌をテーマにしました。

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沈香の最高級品「伽羅(きゃら)」

外国のお客様には、日本の聞香が一番繊細なお香の鑑賞方法だとお伝えしています。香木を煙が出ないように間接的にあたためることで、立ちのぼる上品な香りに集中できます。日本料理では、食材にスパイスで強い味付けをしません。素材そのものの豊かな味わいを楽しんでいただけるように調理されているのです。聞香も、質の良いお香を丁寧に扱い、敬意を表すという意味では同じです。

私が目指しているのは、お客様に楽しく面白い体験をしていただくことではなく、お客様に感動を与え、帰国後の生活をより良いものにするためのヒントとなるような、本当に有意義な体験を提供することです。私の扉は、あらゆる宗教、文化、背景を持つ人々に開かれています。興味のある方には機会を提供していきたいと思います。

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源氏物語の世界観を表現した、えり代さんオリジナルのお香

インタビュアー:最後に一つだけ質問があります。お着物がとてもお似合いですね。普段からお着物をお召しになるのですか?

渡辺:自分で着物を着るのはとても楽しいです。日本を代表して外国の方とお話することを意識しているので、着物を着てお迎えするのが一番だと思っています。

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毎日の瞑想のためのえり代さんオリジナルのお香

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えり代さんならではのオリジナルのお香の鑑賞方法

日本の香道の最高峰、渡辺えり代さんから聞香会を体験してみませんか?伝統的な枠から一歩踏み出し、国際的な視点でお香を見てきた香研究家であり、歴史、文化、社会的な重要性など、様々な角度からお香のことをお話ししてくれます。お香について学びたいと思っている方には、渡辺えり代さんが一番おすすめです。

詳細は渡辺えり代さんのホームページをご覧ください
Eriyo Watanabe’s website

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