杉沢の沢スギは、全国名水百選にも選ばれた湧水を中心に群生している幻想的な沢スギの林です。かつては入善町吉原の海岸に近い地域に、「沢スギ」と呼ばれるスギの多い林があり、約40箇所約130ヘクタールの広さがありました。しかし1973年（昭和48年）ごろの整備事業によりそのほとんどが水田に姿を変えてしまい、現在では2.67ヘクタールのみが保存されています。国内では珍しい平地の湧水地帯に生育する唯一のスギ林として国指定天然記念物に指定されています。
沢スギ林内は木道が整備されており快適に見学できます。林内は湧水や地下水の影響で冬でも暖かく、暖かい地方の植物もたくさん生育しています。また、黒部川の氾濫により山から流されてきたと思われる山地性の植物も見ることができます。またシダ類の種類も多く、暖地性の植物と山地性の植物が同時に見られる貴重な場所となっています。
沢スギ自然館内には模型や映像、パネル展示、展望室などがあり、沢スギをいろいろな観点から学習することができます。
自然愛好家にはもちろん、観光スポットしても関心を集めているスポットです。

写真提供：（公社）とやま観光推進機構